子どもが教えてくれた、比べない幸せ
多くの人にとって、子どもを産むまでは、幸せとはどこか相対的なものだったのではないでしょうか。
周りと比べて、自分はどうなのか。
良い学校、良い会社、お金、肩書き、留学経験、結婚、住む場所、ライフスタイル。
あの時、別の選択をしていれば、もっと違う人生があったのではないか。
比べようと思えば、人生にはいくらでも比較対象があります。上を見ればキリがなく、下を見ても本当の意味では満たされない。幸せの基準を外側に置いている限り、心はいつも忙しく、どこか追われているような感覚があります。
子どもが生きて笑っているだけで、世界は変わる
けれど、子育てをする中で、幸せの形は大きく変わっていきます。
この子が今日も生きている。
今日も笑っている。
ただそれだけで、胸の奥が満たされる。
それは、誰かと比べて得られる幸せではありません。条件が揃ったから感じる幸せでもありません。
得られたものも、得られなかったものも、選んだ道も、選ばなかった道も、すべてが今の自分を形づくる大切な構成要素だったのだと心から思えるようになる。
そして「私は、この人生で良かった」と。

過去はすべて、この子に逢うためにあった
過去はすべて正しかった!
そう割り切ってあらゆる出来事を肯定し、今ここからを生きる!
言うは易し、行うは難しです。
けれど、子どもというのは、まさにそれを体現させてくれる存在です。
事実として、ほんのわずかでも選択が違っていれば、この子には逢えなかった。
出逢う人が違っても、タイミングが違っても、あの日の決断が少しでもズレていても、この子ではなかった。
そう考えると、人生の遠回りも、迷いも、失敗に見えた出来事さえも、すべてが一本の線でつながっていきます。
すべては、この子に逢うために必要だったのだ。
そう思えた瞬間、過去への後悔は少しずつ形を変え、深い肯定へと変わっていきます。
出産は、世界の見え方を変える魔法
子どもが生まれる前は、子どもや赤ちゃんに特別な感情がなかった人でも、自分の子を抱いた瞬間に世界が変わることがあります。
それは大げさではなく、出産や子育てがもたらす大きな変化の一つなのだと思います。
もちろん子育ては綺麗ごとだけではありません。忙しいし、大変だし、思い通りにならないこともたくさんあります。
それでも不思議なことに、子どもを産む前よりも心や身体は遥かに健康的になります。
以前は人生に追われ、競争し、悲壮感やイライラの中にいた。
今の方が忙しいはずなのに、心の中には確かな温かさがある。
それはきっと、幸せの基準が外側から内側へ移ったからです。

比べない幸せを知る
子どもは、人生に勝ち負けでは測れない価値があることを教えてくれます。
誰かより優れているから幸せなのではない。
何かを手に入れたから幸せなのでもない。
この子がいる。
この子に逢えた。
この人生だからこそ、この子に辿り着けた。
そう思えた時、幸せは比較の世界から抜け出し、絶対的なものへと変わっていきます。
過去も、現在も、未来も、すべてを抱きしめながら生きていく。
子どもとはそんな、人生の全てを肯定してくれる存在なのかもしれません。