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虚偽申告で再申請!? そこから見えた「妊活の本気度」

精子提供という活動を通じて、多くの方とご縁をいただく中で、たまに「これはさすがに…」と感じる出来事に出会います。
今回もまさにそのひとつ。一度お断りさせていただいた方が、なんと出身地等を偽って別人のように装い、複数回フォームを再送信してこられたのです。

要するに、「再審査をお願いします!」という食い下がり方。

正直びっくりはしましたが、同時に「そこまでしてでも」という執念にも似たエネルギーに、少し感心してしまった自分もいます。

在庫が無限にある側と、命がけの一回に賭ける側

僕は提供者という立場です。極端に言えば、僕側の“在庫”は事実上無限です。健康である限り、理論上は何件でも対応が可能です。

でも女性側はそうはいきません。
妊娠・出産には明確なタイムリミットがあり、身体的・精神的にも大きな負担を伴います。だからこそ、1回1回が「命がけ」であり、真剣にならざるを得ないのです。その焦りや切実さも理解はできます。ただ、それでも情報を偽ってまで再申請をされるような行為は、残念ながら信頼関係を築くうえで致命的です。

実は、受け入れ率は半数以下です

意外かもしれませんが、実際にお受けするのはご相談全体の半数以下です。数多くのご相談をいただいている中で、体調やタイミング、価値観、やり取りの誠実さなどを総合的に判断し、慎重にお受けしています。

つまり、一度の判断にはそれなりの背景と理由があるということです。それを無視する形で再申請されても、基本的に結果は変わりません。

こちら側はITのプロです。不正や偽装は必ずわかります

ここでひとつお伝えしておきたいのは、僕はITのプロフェッショナルです。つまり、不正な再申請や虚偽情報の送信は、ほぼ確実に見抜かれます。悪意があるかどうか以前に、「バレないだろう」という安易な考えが、もっとも信頼を損なう行為なのです。

僕は営業活動をしていません

念のため補足しておきますが、こちらから営業のような勧誘行為は一切していません。あくまでご相談を受け、それに誠実に向き合う形をとっています。これは、人の人生に深く関わる責任の重い行為であると理解しているからこそです。だからこそ、選ばれる側ではなく、“選ぶ責任”を担う側として、常に冷静な判断をしています。

女性の皆さんへ――自分のことをもっと大切にしてください

繰り返しになりますが、今回のような行動に出てしまう背景には、きっと並々ならぬ想いがあるのだと思います。でもだからこそ、ご自身をもっと大切にしてほしいのです。

焦りや孤独、プレッシャーに押されて無理をしたり、ルールを破ったりすることが、あなた自身の尊厳を損なうことになってしまうのは、本当に悲しいことです。自分を大切にできる人こそ、大切な命を迎え入れる準備ができている人だと、僕は思います。

信頼あってこそ成り立つ提供

今回の件では、丁寧にお断りしました。そして今後は、フォームにも「虚偽申告があった場合、すべての対応をお断りします」という旨を明記するか検討中です。命と向き合うこの活動には、人間模様と責任感が複雑に交差していることを、改めて実感しました。

というわけで、またひとつ、強烈な経験が加わりました。精子提供という行為は、ただの“提供”ではなく、人と人とが誠実に繋がるための営みです。僕自身も、これからも真摯に、一件一件と向き合いながら活動を続けていきたいと思っています。

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