
「選ばれる側」から「選ぶ側」へ
精子提供という活動において、多くの場合、男性は「選ばれる側」に立つことが一般的です。しかし、活動を続ける中で、僕は次第に「選ばれる側」から「選ぶ側」へと変化していきました。
これは恋愛の構造にも似ています。恋愛も男性側が主体的にアプローチをしなければ何のイベントも発生しません。しかし予想に反して「行く側」として提案するはずの僕が、「待つ側」として、受動的に人々の願いに応える立場になっていきました。
僕がこれまで対応した依頼者の背景はさまざまです。無精子症で悩む方、選択的シングルマザーを希望する方、FTM(女性から男性への性転換)夫婦、レズビアンカップル。それぞれに異なる状況や思いがありますが、どのケースにおいても僕は成功を収め、彼らの人生に寄り添うことができたと感じています。
特に力を入れたいFTM夫婦への支援
その中でも、僕が特に力を注ぎたいと感じるのはFTM夫婦の方々です。彼らの背景には、個人ではどうにもできない先天的な事情があります。
確かにFTM(女性から男性への性転換)夫婦の旦那様側は、過去の「たられば」に囚われることは基本的にありません。性転換を決意する際には、「自分が産む」という選択肢を完全に断ち切り、男性として未来へ向かって歩む覚悟があるからです。

一方で、奥様側の気持ちには繊細な変化が起こります。旦那様が持つ「元女性」という現実に向き合う中で、奥様が持つ「子どもを持ちたい」という願望が次第に強くなり、その思いが心の中心を占めるようになります。
すると、悲しいことに「旦那様に嫌われる不安」よりも「子どもを持てない不安」が募り、行き場を失った母性が深い悲しみや後悔へと変化していくのです。

そんな状況で、僕の提供が「銀の弾丸(シルバーブレッド)」として、彼らの悩みを解決できることは大きな喜びです。僕ができる支援が、彼らの未来を切り開く一助になればと願っています。
才能を自覚する瞬間
僕自身、自分の提供する精子が「飛び抜けて良い」ということはデータで知っていました。ネットやSNSを見ていると、他の方々のデータや、妊活に苦戦されている姿が目に入ります。活動を始めてから2年以上が経ちますが、とうとう僕は自分以上のデータを持つ方を見つけることはできませんでした。
そして実際の活動では、そのデータが裏付けられる結果となりました。
2024年には限られた時間の中で5名の方が新たに妊娠され、そのうち80%以上の方が初回から2回目の提供で成功するという成果を収めることができました。
この結果を目の当たりにすると、さすがに自分の才能を認めざるを得ません。

これからも、一人でも多くの方に幸せを届けるために、自分の力を最大限に発揮し続けたいと思っています。
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